ショウサンショウウオの投資部屋

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ラオックス株式会社(8202) 筆頭株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせについて

目次

ブログをご覧頂き、ありがとうございます。
ラオックスをご存じでしょうか? 
ラオックスといえば、中国の方が炊飯器を爆買いしていた家電量販店というイメージがいまだに強いかもしれませんね。
shousanshouuoは、ラオックス株式会社の末席株主です。 今回はラオックス株式会社(8202) 筆頭株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ」についての記事です。

ラオックス株式会社とは

2008年までは家電量販店事業をコア事業としていましたが、2009年以降はインバウンド需要に向けた総合免税事業をコア事業としていました。
ところが、インバウンド事業がコロナ禍で大きく調子が狂ってしまったため、同社にとっても厳しい事業環境となっています。
そのため同社では、大幅な店舗網の縮小等で抜本的な構造改革を推進しています。

同社の歴史ですが、1930年5月に創業者である、谷口正治さんが谷口商店を創業したのがルーツになっています。
戦後すぐの1945年10月には、谷口電機株式会社へと改組となっています。
その後、朝日無線電機株式会社の営業部門が分離する形で1976年にラオックス株式会社が設立されます。
東京証券取引所市場第二部へ上場を果たしたのは1999年で、そこから10年後には、蘇寧電器及び日本観光免税株式会社との業務資本提携契約を締結し、同年には総合免税店の第1号店を秋葉原にオープンさせています。
2017年7月には、複合商業施設である「千葉ポートスクエア ポートタウン」をオープンさせ、2018年4月には、ギフト関連商品の販売を行っているシャディ株式会社を連結子会社化としています。

一時は、親会社の蘇寧電器の力もあり、中国へも支店をオープンさせていた事がありましたが、その後は撤退しています。
同様に、婦人靴事業へも乗り出していましたが、今年4月には株式譲渡という形で撤退となっています。
ここ最近は、新業態としてアジア食品専門店の「亜州太陽市場」をオープンしたばかりです。また、明日12/3には、自由が丘にアジアコスメ専門店である「LAOX BEAUTY AIRPORT」をオープン予定です。

本日は、そんな同社の筆頭株主である、GRANDA GALAXY LIMITED(蘇寧電器の100%出資子会社)が、異動したというリリースがありました。

代わって筆頭株主となったのは、Greenwich Investment Holdings Pte. Ltd.というシンガポールの投資会社です。
同社についての詳細は現時点でわかっていません。
登記情報システムで確認できる限りでは、同社の設立が2020年4月22日であるという事と、社員数が5人であるという事、監査法人がErnst & Young LLPであるという事ぐらいです。
ここ最近は、蘇寧グループ自体が資産の切り売りを繰り返していた事もあって経営悪化が囁かれていましたが、ラオックスからも手を引く事になるのでしょうか。
昨年末時点では、第2位株主も蘇寧グループであるGRANDA MAGIC LIMITEDで30.39%の同社株式を保有していたのですが、これもどこかに売却されてしまうのでしょうか・・・。今後も注視が必要そうです。


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ラオックス株式会社の3Q決算

売上高 481.48億円 (前年度比 -17.8%)
営業利益 -22.91億円 (前年度は -26.18億円)
経常利益 -18.31億円 (前年度は -27.47億円)
親会社株主に帰属する四半期純利益 -32.30億円 (前年度は -137.37億円)

となっていました。
営業利益率は、-4.76%となりますね。
3Q末時点での、同社の自己資本比率は53.2%と、昨年度よりも11.0%アップしています。これは、総資産が昨年から200億円近く減少した事によるものです。

ラオックス株式会社のセグメント別業績

国内リテール事業

売上高 26.27億円 (前年度比 -52.8%)
セグメント利益 -5.87億円 (前年度は -11.38億円)
セグメント利益率 -22.34% (前年度は -20.27%)

京都河原町OPA店のオープンがありましたが、店舗の閉店を急いだ事で売上高は大きく減少しています。なお、店舗家賃の減免交渉等の成果もあり損失額は縮小しています。

海外事業

売上高 136.65億円 (前年度比 ±0.0%)
セグメント利益 0.32億円 (前年度比 -87.0%)
セグメント利益率 0.23% (前年度は +1.81%)

アウトバウンド需要の取り込みや、中国・東南アジアの市場開拓に向けた準備を推進したとの事です。中国では小型家電や化粧品、ゲーム機の需要が安定して推移していたものの物流遅延当の影響があって売上高は減少に転じてしまった様です。
その穴を埋めるべく、海南島での新規事業準備や、中国での保税倉庫の運営準備等を着実に進めています。

生活ファッション事業

売上高 286.42億円 (前年度比 -13.5%)
セグメント利益 0.06億円 (前年度は -2.95億円)
セグメント利益率 0.02% (前年度は -0.89%)

意外にも、同社の最大売上を占めているのがこの事業です。ギフト用品のシャディの事業ですね。お中元では、堅調に需要を取り込む事に成功した様です。また、同社が推進している物流改革や販売管理費の削減等で損益分岐点が下がった様で、ギリギリ黒字を確保しています。

アセット事業

売上高 32.12億円 (前年度比 -48.5%)
セグメント利益 -7.09億円 (前年度は -5.41億円)
セグメント利益率 -22.07% (前年度は -8.63%)

緊急事態宣言等による営業時間短縮や休業が影響して売上高は大きく減少しています。

ラオックス株式会社の業績予想・進捗率

同社が発表している業績予想は、以下の通りです。

売上高 740.00億円 (前年度比 -10.8%、進捗率 65.06%)
営業利益 -15.00億円 
経常利益 -13.00億円 

年末商戦やお歳暮商戦で売上高が伸びる事を織り込んでいる様です。
なんとか赤字が少しでも縮小する事を期待したいですね。

ラオックス株式会社の配当利回り

前述の通り、同社は厳しい事業環境におかれており、今年度も赤字を見込んでいる事から、同社の配当予想は残念ながら0円となっています。

ラオックス株式会社の株主優待

同社は、株主優待制度を導入しています。
100~299株保有では、1,000ポイント分の商品を株主優待カタログの中から選ぶ事が出来るシステムです。
本日の同社の終値は162円でしたから、仮に100株を保有した場合は

予想配当+優待利回り=0+10/162≒6.17%

という計算になりそうです。
カタログの中身にもよりますが高利回りですね。もちろん、同社の事業環境を考慮するとそれなりのリスクはあるかと思いますが・・・。


2022/3/20追記

ちなみに、同社の株主優待の実際の内容は以下の記事にまとめています。

 

shousanshouuo.hatenablog.com

 

まとめ

ラオックス株式会社は、インバウンド向け免税店を運営しているイメージが強いですが、現在売上高が最大のセグメントはギフト商品を取り扱っているシャディ事業であり、その次に売上高が大きいのは海外事業となっています。
国内に関しては、免税店の店舗網を縮小していますがアジア食品アジアンコスメを取り扱う小規模の専門店をオープンさせる等、新たな事業展開模索には意欲的です。
本日、同社の筆頭株主異動のニュースがありました。まだ、新たな筆頭株主の素性が分からないだけにやや不気味な感じはありますが、今後も、末席株主として同社を応援していきたいと思っています。

shousanshouuoのブログをご覧頂き、ありがとうございました。 またのお越しをお待ちしております。
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