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今回は「岡部株式会社 自己株式取得および自己株式の消却」についての記事です。
shousanshouuoは、岡部株式会社の末席株主です。
岡部株式会社とは
岡部株式会社は、建設関連製品や自動車関連製品等の製造等を主に行っている企業です。同社は1917年4月に、一般建築用金物の製造ならびに販売を目的とした個人商店としてスタートしています。今年で105周年を迎えた老舗企業ですね。
その後、合資会社岡部鉄工所を経て、戦時下の1944年2月には岡部鉄工株式会社と企業の形態が変更となっています。
現在の社名になったのは1963年ですから、おおよそ60年間は社名が変わっていないんですね。
事業が少しずつ大きくなり、1972年7月には、ついに東京証券取引所第2部への上場を果たしており、それから5年後には米国子会社の設立にこぎつけています。
バブルの影響だったのでしょうか、1988年にはカナダのコースト・ホテルズ・グループの持ち株会社を全株取得していました。その後、香港・台湾へも進出をしていた時期もありましたが、いずれも会社清算や株式売却となってしまった様です・・・。ちなみに、コースト・ホテルズ・グループも2016年には売却されてしまいましたが、同社のホテルの一部は「APA」のブランドで営業している様です。
1991年には、ついに東京証券取引所第1部への上場を果たします。
その後は、吸収合併や再編を繰り返しながらも比較的堅調に営業を継続する事が出来ています。
同社は、中期経営計画の中で2022-2024年のうちに、SDGsに貢献する事業領域における企業買収・資本提携へ100億円を投資する方針である事を宣言しています。
今後もM&Aを通じて、より大きな企業へと成長できるチャンスがある事を期待したいです。
岡部株式会社の3Q決算
売上高 471.01億円 (前年度比 +0.7%)
営業利益 31.61億円 (前年度比 +0.4%)
経常利益 34.65億円 (前年度比 +4.8%)
親会社株主に帰属する四半期純利益 20.07億円 (前年度比 +20.0%)
となっていました。営業利益率は、6.71%となりますね。
3Q末時点での、同社の自己資本比率は66.4%と、昨年度よりも1.3%アップしています。
2Q決算の時点では、国内事業の売上高は73%、海外事業の売上高は27%となっていました。
自動車関連製品事業は、海外事業だけの様ですね。
岡部株式会社のセグメント別業績
建設関連製品事業
売上高 382.28億円 (前年度比 -2.5%)
セグメント利益 27.94億円 (前年度比 -20.9%)
セグメント利益率 7.31% (前年度比 -1.70%)
仮設・型枠製品や土木製品、構造機材製品、建材商品、建材商製品を扱っています。
災害復旧関連工事が減少した事で、土砂災害の防止に用いられる製品の販売等が伸び悩んだのだそうです。景気の悪化に伴って、建設資材の販売が低調になったという事で同セグメントでは利益率が低下してしまった様です。
自動車関連製品事業
売上高 67.27億円 (前年度比 +24.6%)
セグメント利益 2.60億円 (前年度は -3.67億円)
セグメント利益率 3.87% (前年度は -6.80%)
米国での新車販売台数の復調を受けて、バッテリー端子製品が伸びたという記載がありました。その他、米国子会社では、トラックのハブに用いられる部品等を製造している様でした。
その他の事業
売上高 21.45億円 (前年度比 +0.8%)
セグメント利益 1.06億円 (前年度は -0.16億円)
セグメント利益率 4.94% (前年度は -0.74%)
釣り用錘製品や産業機械製品、魚礁等を扱っているみたいです。
「錘」って・・・??
と思ったら「オモリ」の事でした。漢字を知らなかったのは恥ずかしいですね。
岡部株式会社のプレスリリース
本日、そんな同社から自己株式の取得と消却がリリースされていました。
上限で140万株:発行済株式に対する割合2.86%の取得です。総額の上限は10億円となっていますね。今回取得する自己株式については、取得後消却予定となっています。
ただ、今回のリリースはこれだけではないんです。
同社の保有自己株式数は、6月末時点で497.4万株だったのですが、
そのうちの310万株:発行済株式に対する割合5.76%の消却を合わせてリリースしています。
すなわち、合計で450万株:発行済株式に対する割合8.36%が市場に流通しなくなるという事です。
既存の株主にとっては、それだけ1株の価値が上昇すると考えられるのでありがたい限りです。
同社は、配当性向30%以上および機動的な自社株買いの実施を中期経営計画でリリースしていたので、また今後も利益が積みあがれば自社株買いを実施してくれるかもしれません。
岡部株式会社の業績予想・進捗率
同社の業績予想は、以下の通りになっています。また、合わせて3Q時点での進捗率も計算してみました。
売上高 650.00億円 (前年度比 +3.0%、進捗率 72.46%)
営業利益 49.00億円 (前年度比 +9.0%、進捗率 64.51%)
経常利益 50.00億円 (前年度比 +6.3%、進捗率 69.30%)
親会社株主に帰属する当期純利益 30.50億円 (前年度比 +13.6%、進捗率 65.80%)
売上高は概ね良さそうですが、利益率は4Qで高めていくつもりの予想になっていますね。少しずつ住宅着工件数が月次では増加しているのは、同社にとって明るいニュースと言えるでしょうか。良い結果を期待しようと思います。
【関連記事】
なお、同社の中期経営計画ならびに2023年12月期の業績予想は当ブログの以下の記事に記載しています。宜しければそちらもご参照下さい。
岡部株式会社の配当利回り
同社の配当予想としては、中間10円、期末10円で年間20円の配当予想となっています。
本日、同社の終値は645円でしたので、
予想配当利回り=20/645≒3.10%
という事になりますね。まずまずの利回りだと思います。
岡部株式会社の株主優待
同社は、株主優待制度を導入しています。
毎年12月31日時点で株主名簿に登録され、かつ、1年以上継続保有した場合にオリジナル・クオカードがもらえます。
200株以上の保有では1,000円相当となっています。
仮に、200株を保有して1年以上経過していた場合には
予想配当+優待利回り=20+5/645≒3.88%
という計算になります。
まとめ
岡部株式会社は、建材関連製品事業、自動車関連製品事業、その他事業を営んでおり、売上の80%ほどは建材関連製品事業が生み出しています。
また、国内:海外比率は73%:27%となっていました。
そんな同社は、期末決算を増収増益で終える予想を立てています。現時点での進捗率はやや低めに推移していますが、経過を見守りたいと思います。
本日、同社は上限で140万株:発行済株式に対する割合2.86%の自己株式取得・消却を発表しました。
また、今回のリリースでは追加で310万株:発行済株式に対する割合5.76%の消却を合わせてリリースしています。
そんな同社は、中期経営計画の中で2022-2024年のうちに、SDGsに貢献する事業領域における企業買収・資本提携へ100億円を投資する方針である事を宣言しており、今後の収益力強化にも期待が出来るのではないかと考えています。
今後も、末席株主として同社を応援していきたいと思っています。
ブログをご覧頂き、ありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。
shousanshouuo